DBサーバの開発環境作成や、導入検討を行う際には無償版を使うと便利です。
SQL Serverにも無償版が用意されています。

１．制限事項

Express(無料版)には、以下の制限があります。
・物理CPUの認識数が一つに制限されている。
・メモリ最大1GBまで
・DBサイズは最大4GBまで

十分な機能を有しているため、
小規模な商用サービスであれば、
Expressで運用しているところも少なくないようです。

２．SQL Server 2008 Expressのインストール

インストールには、以下のツールが必要になります。
事前にインストールを行ってください。

Windows Installer 4.5 Redistributable
Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1
Windows Power Shell 1.0

※注意
MSXML6 SP2が入っている場合、アンインストールを行ってください。
（SQL Server Express 2008セットアップは、
SP無しのMSXML6のインストールを試みるため、失敗すると
SQL Server自体のインストールを中止してしまうようです。）

SQL Server 2008 Express本体は以下からダウンロードします。

http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=7522A683-4CB2-454E-B908-E805E9BD4E28&displaylang=ja

ツールをダウンロードする手間を省くため、ここではwith tools版をダウンロードします。

インストールツールを起動し、ダイアログにしたがってインストールを進めます。

テスト用のユーザを作成したいので、認証モードを「混合モード(SQL Server認証とWindows認証)」にしてインストールをします。

インストールには１〜２時間ほどかかりました。

インストール後は管理ツールを使って作業を行います。
正常にインストールできていれば、
スタートメニュー＞Microsoft SQL Server 2008＞SQL Server Management Studio
から起動できます。

Windows認証でログインします。

３．ローカルサーバの設定

DBを使えるようにするためには、以下の３つの設定を行う必要があります。

(i)DBの作成
(ii)テーブルの作成
(iii)アカウントの追加

順に行っていきましょう。

(i)DBの作成

まず、新しいDBを作成します。

DBのプロパティが開きますので、
データベース名を入力します。

(ii)テーブルの作成

先ほど作成したDBツリーを開き、テーブルを作成します。

テーブルデザイナが開きます。

プロパティ内のテーブル名を登録し、
列名と型を決めていきます。
ここでは、PRODUCT_TBLというテーブル名にしています。

列名と型は以下の通りにしました。

まず、商品名を管理するので、nameという列を作成します。
加えて、ユニークなIDを使いたいので、
product_idというintの列を作成しました。

プロパティのIDENTITY列にproduct_idを設定すると、
自動でインクリメント（＋１）してくれます。

あとは、適当にテスト用のデータを作成しておきます。

テーブルを右クリックして上位200行の編集を選択します。

product_idはnullのままにして、nameを入れると、
product_idは自動的にインクリメントされます。

(iii)アカウントの作成

DBにアクセスできるアカウントを作成します。

DBのツリーから、セキュリティ＞ログインを右クリックし、
新しいログインを作成します。

ログインのプロパティが開きます。
ログイン名とパスワードを入力します。種別はSQL Server認証にしてください。

なお、当環境（Windows XP sp2）では、
「ユーザーは次回ログイン時にパスワードを変更する」にチェックを入れていると、
アカウントの作成が出来ませんでした。
Windowsのバージョンによるもののようです。

次に、ユーザにDBを操作する権限を与えます。

ログインのプロパティから、ユーザマッピングの項を選択します。

扱いたいDB（ここではtest）にチェックを入れます。
また、db_ownerにチェックを入れます。

これで、ユーザにDBを操作する権限を付与することが出来ました。
以後は、ここで作成したユーザをそれぞれのクライアントから使えばOKです。

４．Javaからアクセスする

TCP/IPからの接続に関しては、GigasMegas - SQL Server 2008 Express TCP/IP接続設定を参考にしました。
接続は、以下のようなコードで確認することができます。

public class ConnectStudy { public static Connection getConnection() { Connection con = null; try { Class.forName("com.microsoft.sqlserver.jdbc.SQLServerDriver"); String connectionUrl = "jdbc:sqlserver://localhost:1433;databaseName=test;user=ipl;password=*****;"; con = DriverManager.getConnection(connectionUrl); } catch (ClassNotFoundException e) { e.printStackTrace(); } catch (SQLException e) { e.printStackTrace(); } return con; } public static void main(String[] args) { Connection con = getConnection(); try { String sql = "SELECT TOP 10 * FROM PRODUCT_TBL"; Statement stmt = con.createStatement(); ResultSet rs = stmt.executeQuery(sql); while (rs.next()) { System.out.println(rs.getString(1) + " " + rs.getString(2)); } } catch (SQLException e) { e.printStackTrace(); } finally { try { con.close(); } catch (SQLException e) { e.printStackTrace(); } } } }

以上のコードを利用して、簡単な
住所管理アプリケーションをJava(Swing)で作成しました。

このような小規模なアプリケーションであれば、簡単に作れることが分かりました。
さすがにインストール容量こそ大きい(1〜2GB程度)ですが、
インストールの手間さえ乗り越えれば、使いやすい管理ツールを使うことが出来ます。

６．参考サイト

SQL Server 2008 Express をインストール: あるＳＥのつぶやき

SQL Server 2008 Express をインストール

SQL Server 2008 Express TCP/IP接続設定 | GigasMegas